ワイヤーハーネスに関する概要解説

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PRONVのワイヤーハーネスのご紹介

PRONVのワイヤーハーネスをご紹介いたします。弊社ではグループ会社のノウハウを活用し、システム化しております。

本ページでは、ワイヤーハーネスのパーツにあたるものと製造工程を分けてご紹介いたします。

パーツのご紹介
電線・ケーブル
電線・ケーブルは電力と電気信号を伝達するワイヤーハーネスの重要な構成部品です。
電線は電気を伝導する部品で、導体を絶縁体である保護被膜が覆っている構造をしています。
導体には主に銅を使用しますが、軽量化を目的にアルミも使用されます。
導体は1本の導線、または素線と言われる細い導線を複数本撚り合わせた撚り線です。
導体は導体部の酸化を防止や半田付けの結線をし易くする目的でスズ、ニッケル、銀などでメッキされる場合もあります。

ケーブルは電線が更にシースと呼ばれる保護被膜で覆われている部品です。
ケーブルは単一の電線で構成される単線と複数の電線で構成されている多芯線に分類できます。
ケーブルのシース内部には電線の外径や円形を保つため、または引張強さなど強度を補強するために介在物が入っています。
また、ノイズと呼ばれる周囲からの電気的な影響を遮断するために、シールドと呼ばれる銅、アルミ、鉄編組やテープがシース直下に内臓されている場合もあります。
端子
端子はワイヤーハーネスの接続部となる構成部品です。
端子とコネクタは類義語ですが、圧着や半田付けして芯線と結線する部品を端子と表現して以下説明します。
端子はターミナルやコンタクトとも呼ばれています。
端子の主要素材は銅で、メッキされた端子は金、銀、錫、ニッケル、或いはそれらの合金メッキが施されています。

端子は圧着端子が主流です。圧着とは端子と電線の接続部分に物理的な圧力を加え成形し、電線と端子を密着させて電気的に接続する技術で、圧着結線用の端子を圧着端子と呼びます。
圧着端子は形状と圧着方法からオープンバレル系とクローズドバレル系に分類されます。
オープンバレル系の端子は差し手、受け手の形状からオス(Male、プラグ)、メス(Female、レセプタクル、ジャック)に分類されます。
クローズドバレル系の端子で代表的な端子は丸型圧着端子で、その他には棒型、ブレード型、先開型(Y型)、フック型などがあります。
コネクタ
コネクタはワイヤーハーネスの接続部となる構成部品です。
コネクタと端子は類義語ですが、芯線を圧着した端子を挿入したり半田付けによって結線され、差し込むだけで勘合相手に接続できる部品をコネクタと表現して以下説明します。

コネクタには半田や圧接によって芯線を直接結線するタイプと圧着した端子をコネクタに差し込むタイプがあります。
後者のコネクタはハウジング、カプラとも呼ばれ、プラスチック製品が主流です。
ハウジング、カプラは専用端子を圧着した電線が挿入できるようになっており、挿入すると引っ張っても抜けない構造をしています。

圧接用のコネクタは本体、プロテクタ、リリーフ・クランプ・カバーなど3~4個の部品から構成されており、本体には被覆カット刃が付いた金属が複数付いています。
圧接用コネクタはフラットケーブルや融着作業によりフラットに整列させたフラットケーブルでなければ接続できません。

半田用のコネクタには円筒状の端子でカップ状に芯線を受け止めるソルダーカップが付いていて、この部分に芯線を差し込み半田付けをします。
半田を流すと芯線周囲とソルダーカップに半田が回り結線されます。
ソルダーカップの内径以上の芯線は差し込めず結線できません。
半田用のコネクタは半田結線部を保護するためにカバー部品を必要とする場合があります。
外装品
"ワイヤーハーネスの外装品として主にチューブ、テープ、結束バンド(タイラップ)、ビニタイ、キャップ、コアが挙げられます。
チューブは電線やケーブルを覆って保護する役目があります。種類によって柔軟性、耐摩耗性、耐熱性、耐燃性、耐電性、遮蔽性など多くの機能を持っているため、ワイヤーハーネスにこれらの機能を付加することができます。
また他の活用法として、チューブに信号名や行き先などを印字して銘板として使用する場合もあります。
チューブは塩化ビニールなどの高分子化合物が主流です。

また、熱収縮チューブと呼ばれている熱を加えると収縮して電線やケーブルに密着する特殊なチューブがワイヤーハーネス業界では広く使用されています。
熱収縮チューブは使用部位の形状に柔軟に変形して密着・固定されるため端部の保護に便利です。

テープは粘着性があり電線やケーブルに巻き付けて結束して、かつ保護する機能があります。
主にゴム系粘着剤とビニールなどの高分子化合物の2層で構成されていて、分岐が多いワイヤーハーネスに広く使用されています。
カラーバリエーションも豊富で、色分けによる線の識別にも利用されます。

結束バンド(タイラップ)やビニタイは電線やケーブルを束ね、整える配線部品です。
結束バンド(タイラップ)は一体成形のプラスチック製結束バンドが主流で、一度結束すると緩めたり取り外しが出来ない構造をしています。
素材はナイロンなどの樹脂です。ビニタイの素材は塩ビ製を主に使用しています。

キャップやスリーブは端子を保護するために端子に取り付ける部品です。
保護の他にも防水、防塵などの機能を持っています。
キャップの素材は塩化ビニールなどの高分子化合物です。

コアはノイズ対策のためケーブルに取り付ける部品で、鉄を主成分としたフェライトコアが広く使用されています。
フェライトコアはケーブルから発生する磁気エネルギーを集めフェライトの磁気損失によって熱に変換消費するため、ノイズをカットする役割があります。
フェライトコアは通常左右対称な2つの部分に分かれていて、中央部に穴が空いて電線・ケーブルが通るような構造をしています。"
ワイヤーハーネスの外装の組み立て解説
配線組立
複数の電線やケーブルを組み合わせたワイヤーハーネスを製作する場合は、配線同士を組み立てる作業が必要となります。
特に電気回路が数十~数百といった分岐が多く複雑な配線は、配線を効率良く、間違えが無いように組立てるために専用の配線治具を活用して組み立てを行います。
専用の配線治具は木板に図面を貼り、主な配線や分岐点に釘やU字治具などを打って作製しています。
配線組立は、電線の識別や配置の機械化が難しく手作業が主流です。
結束
電線やケーブルを組み合わせたワイヤーハーネスを製作する場合に組みわせた配線を結束バンドで固定する作業があります。
結束作業では配線の結束したい位置に結束バンドを巻き付け仮止めし、専用工具のタイラップカッターで締め付け且つ余分なバンドを切断します。
弊社では、自動結束機を取り入れており、両立させて作業を行っております。
コネクタ、ハウジング挿入
圧着した端子をコネクタやハウジングに挿入します。
挿入時はカチッと音がするまで挿入します。
正しく挿入された端子は端子のランスが開き、引張っても抜けない構造に出来ています。
端子の挿入後は少し引張って正しく挿入されているか確認します。
弊社では「カタカタ確認」という言葉を用いています。
端子はコネクタの正しい位置に挿入しないと、誤配線という重大な不良に繋がるので注意が必要です。
チューブ収縮
圧着工程前に事前に挿入していた熱収縮チューブと呼ばれる高温(90℃~115℃程度)で収縮しケーブル・電線に密着する保護チューブを所定の位置に配置し、ドライヤーによって熱を加えてチューブを収縮させ固定します。
チューブに印字があり銘板の役割がある場合は、指定通りの向きで固定します。
ドライヤーによって熱を加えすぎると周囲が変形、変色したり部材が損傷してしまうので要注意です。
スリーブ、キャップ
圧着工程前に事前に挿入していたスリーブ、キャップを端子の圧着部やハウジングの付け根に装着します。
弊社は後入れスリーブも対応しております。
スリーブ、キャップ、は端子の保護、防水、防塵などの機能がありますので、しっかりと装着を行っております。
カバー取付
ハウジング挿入、半田、圧接工程などを終えたコネクタ部にカバーを取り付ける必要がある場合、カバーの取付をおこないます。
カバーは通常左右対称な2つの部品に分かれていて、コネクタの所定の位置にカバーを取り付け、ネジやプラスチックの爪で固定します。
カバーにはロック用ネジ、ケーブルクランプなど他にも取り付ける部品がある場合もありますので、忘れずに注意して装着します。
銘板取付
各端末部や分岐部分に、銘板と呼ばれるテープやチューブに行き先や信号名を印字したものを取り付けます。
テープ式の銘板はコネクタやハウジング、ケーブルに直接貼付けたり、結束バンドに貼付けて所定の場所に結束したりして固定します。
チューブ式の銘板は組立前の工程ですでに装着済みであるか、または結束バンドに通して所定の場所に結束して固定します。
銘板取付時には印字文字の向きが正しいか注意しましょう。
フェライトコア取付
ノイズ対策のためにフェライトコアをケーブルに取り付けます。
フェライトコアはケーブルから発生する磁気エネルギーを集めフェライトの磁気損失によって熱に変換消費するため、ノイズをカットする役割があります。
フェライトコアは通常左右対称な2つの部分に分かれていて、中央部に穴が空いて電線・ケーブルが通るような構造をしています。
電線・ケーブルをフェライトコア中央部の穴に通し、ストッパーからカチッと音がするまではめ込んで取付けます。
なお、電線・ケーブルに巻き付けるフェライトコアもございます。
テープ巻き
配線組立をした電線・ケーブルにビニルテープを巻き付け、覆い隠すように束ねて結束し且つ保護します。
通常、配線組立の専用治具に取り付けられた状態でテープ巻き作業はおこなわれます。
配線によって種々のカラーテープを用いることで色によって配線を識別する場合もあり、結束・保護を目的とせず識別だけのためにテープを巻くこともあります。
保護チューブ取付
配線組立をした電線・ケーブルにコルゲートチューブ、スパイラルチューブ、モーグルチューブなどを取付け電線・ケーブルを結束し且つ保護します。
各チューブは柔軟性が高く、耐摩耗性、耐熱性、耐燃性、耐電性などに優れています。
コルゲートチューブは蛇腹形状をしていて、スパイラルチューブはスパラル形状をしています。
スパイラルチューブやスリット入りのコルゲートチューブ、スパイラルチューブ、ジッパーチューブは配線組立後やコネクタ、ハウジング挿入後でも取付けが可能です。
スリット入りのコルゲートチューブ取付け後はテープを必要箇所に巻いて、取れないように固定する必要があります。

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